

インターネットが普及してきたことによって、ブランド戦国時代というか、ネットマーケティングにばっちり成功することによって新たな巨大ファッションブランドが誕生、ネット上のマーケティングにうまく成功しなかったブランドの衰退、と言ったような状況が生まれるのかと、三年前ごろ僕はドキドキしていたのですが、まったくそういった動きが見られないことに驚く。
今好調なネット展開をしている事業と言えば、zozotown位だと思うのですが、その売り上げが何によって保たれているのかと言えば、ユナイテッドアローズ、ビームス、シップス、といった既存のセレクトショップのすでに築きあげられたブランドイメージなのだと思います。
どんなブランドが人気なのかというリサーチ方法の一つに、ヤフオクの検索単語の多さを調べる方法があります。
そんな感じで調べてみると、上位には、有名セレクトショップや雑誌で取り上げられている回数の多いブランドがずらっと並ぶわけです。ネット発のファッションブランドはそこに登場しません。
ちょっと前に脱オタという言葉がはやりました。オタクファッションを抜け出し、オシャレになってもてようと言ったような趣旨の言葉で、そういった脱オタ関連の本やサイトには普段言語化されない部分のオシャレとは何かってことが、言語化されていて、とても興味深いなあと思いました。
↓こことかですね。勉強になります。
http://www.oxiare.net/fashion/
このサイトを参考に多くの人が脱オタできたのではないかと僕は考えますが、その光ともいえる効用の裏側にある闇の部分と言うか、弊害としては、脱オタ関連の言説の多くが、オシャレの感覚を磨くためにはやはり雑誌しかないという結論をうち出してることだと思います。
かくいう僕も雑誌文化の影響の下で日々服を買ったり、ブランドを知ったりしているわけで、雑誌が悪いともいえないんですが、なんというか、もっと雑誌から離れた部分で草の根的にと言うか、個人の力の集まりみたいな感じでブランドとかが出来上がってほしいという思いもあります。
パリコレ、ミラノコレクション、トウキョウコレクションとかいろいろコレクションはあるけど、やはりネット上ではそういったコレクションに対する議論も盛り上がっていない気がします。
盛り上がるのはユニクロの話ばかりと言うのも悲しい。ファッションについて解説するサイトも歴史あるブランドばっか紹介するってのも悲しい。
SPAなんかを用いてユニクロはありえないくらいの低価格高品質を達成したらしいです。一方でルイビトンとかジルサンダーの店舗にはばか高い意味のわかんない値段で服とかが並んでいます。その中間を担っているのは多分リアルクローズとか呼ばれるSPAを取り入れつつ程よい高級感、程よい価格を実現しているローズバットとかハレとかなのかなあと思うんです。
で、僕の希望する世界ってのは、ローズバットとかハレとかの品質と値段で、もっとデザイナーの個性を打ち出したブランドがたくさんあってほしいってことなんだと思います。リアルクローズ系の服はデザインした人の顔やブランドの個性みたいなものが見えないってことが大きな不満の一つですね。
あと、それがネットで買える状態になればいいんじゃないかなあといった感じでしょうか。
ただ、そもそもネットのヘビーユーザーやウェブ業界の人々≒インターネットはファッションという分野にあまり興味がなさそうなイメージがあります、なので、そういう世の中は多分やってこないのだとおもいます。